呼吸器内科

当院の呼吸器内科について

はじめに

もみじ在宅診療所では、私(院長)を中心に呼吸器内科の専門外来を行っています。私自身、勤務医時代は大手前病院、大阪市立総合医療センター、刀根山病院、大阪大学医学部附属病院などで呼吸器診療に携わってきました。

これらの病院を含め、呼吸器を専門とする医師の中で、よく言われる“格言”があります。

「肺がんと結核は見逃すな!」

その意味は

  • よくよく注意せずに外来診療を行っていると、どんなに優秀な医師でも肺がんと結核を見逃すことがある
  • 呼吸器内科では、必要時には必ず胸部レントゲンを撮りなさい、
    さらに必要時には胸部CTでの精査も迷わずに行いなさい
  • 胸部レントゲンの読影はしっかりと身につけなさい

ということです。

肺がんや結核だけでは無いのですが、呼吸器疾患の症状は、せき、痰、呼吸困難など、どの病気でも当てはまるものが多くあります。
また、病気によっては病状が進行するまで症状が全く出ないものもあるため、胸部レントゲンはとても重要なのです

それにもかかわらず、撮影したレントゲン写真が適切に読影されず、誤った診断をされている頻度は20~30%もあるとの報告もあります[1,2,3]。

撮影は手間がかからず比較的簡単に行えるものの、胸部レントゲンの読影はとても難しく、読影者の知識や経験に大きく左右される検査です。
実は胸部CTの読影よりも、胸部レントゲンの読影の方が何倍も難しいのです。

読影の教科書は数多くあるものの、教科書を読むだけの座学では、レントゲンの読影は決して身につきません。

呼吸器の専門病院で様々な呼吸器疾患をもつ患者さんと接し、多くのレントゲンに触れる。
読影を重ねながら多くの先輩医師に指導を受け、患者さんの診断結果を再度読影にフィードバックしていく。
これら地道な作業を数千、数万回重ねて初めて読影が可能となると思っています。

当院の診療では、必要時には躊躇すること無く胸部レントゲン検査を行うようにしています。
呼吸器内科の基本、1丁目1番地として、しっかりとした胸部レントゲンの読影はとても重要なものと考えています。

  • 関根 郁夫.胸部単純X線読影の名人芸.千葉医学 83 : 259~263, 2007
  • Pitman AG. Perceptual error and the culture of open disclosure in Australian radiology. Australas Radiol 2006; 50: 206-11.
  • Fitzgerald R. Error in radiology. Clin Radiol 2001; 56: 938-46.

呼吸器内科診療について

呼吸器内科は、鼻やのど、気管、肺、胸膜など呼吸器や胸部に関する病気を専門に診療する科目です。

もみじ在宅診療所の呼吸器内科外来では、

  • 長くせきが続いている
  • せきが出始めると止まらない
  • 痰がからむ、息切れがする
  • 胸が痛い
  • 夜中せき込んで眠れない

などの訴えで来院される方が多くおられます。
最近は気管支炎、気管支喘息、咳喘息、COPD(肺気腫、慢性気管支炎)などといった疾患を診断する事が多くなっています。

「せきが続くためいろんな医療機関を受診したけど、何の病気かわからない。」
「とりあえず薬を処方されて、いろんな薬を飲んだけど効かないんです。」
「すぐにせきを止めて下さい!」

診察室では、こういった訴えを多くお聞きします。
いつもお話しするのですが、せきを止めるためには、せきの原因疾患を正しく診断する事が重要です。

呼吸器内科診療においては、診断こそが最も大切な1丁目1番地なのです。
“正しい診断無きところに、良き治療無し!”
私、院長はいつもこれを念頭に呼吸器の診察を行っています。
しっかりした診断がなく、とりあえず咳止めを処方するということはあまりお勧めできません。
大きな病気を見逃したり、確定診断へのルートを見失ってしまうからです。

まずは問診を行い、病歴、既往歴を丹念にお聞きします。
せきはいつから始まったのか、以前に同様な事はなかったのか、どんなときにどんなせきが出るのか。詳しくお話を伺います。
そして、いくつかの疾患を念頭に、聴診や身体所見を行います。
この時点で、ある程度の病気を類推し、レントゲン、呼吸機能検査などを経て、診断を確定します。
その後は、最新のガイドラインを元にした治療を行っていくとともに、病気の正しい知識を患者さんにお話し、一緒に病気を理解、共有していきたいと思っています。

当院を受診して頂いた患者さんに全て確定診断が出来るわけではありません。また、必ず病気が治るわけではありません。
しかし、現時点での最新の医学で対応出来るように、最大限の努力を致します。

確定診断のため、胸部CTやその他の専門検査が必要な場合、思わぬ病気が見つかった場合には適切な病院を御紹介させて頂きます。

当院の近隣には、箕面市立病院、市立池田病院、市立豊中病院、大阪刀根山医療センター、国立循環器病センター、大阪大学医学部附属病院、済生会千里病院など数多くの専門病院があります。
難しい病気に対しては院内で抱え込まず、最も適切な専門病院の先生方と連携しながら診断、治療を行っていきたいと考えています。

こんな症状の相談をおこなっています

  • 風邪をひくとなかなか治らない
  • 風邪の後、長く咳が続く
  • 咳が出はじめると止まらない、咳が続くため眠れない
  • いつも痰がからんだ感じがして、咳がでる
  • 微熱が続いている
  • 動くと息切れがする
  • 胸が重い、胸が痛い
  • 夜中にいびきがひどく、呼吸が止まることがある
  • 胸部レントゲンで異常を指摘されたことがある
  • 肺の病気があるけどよく分からない、くわしく説明を聞いてみたい
  • 肺がんが心配
  • いろいろなワクチンの相談がしたい

このような症状、ご希望があればいつでも御相談ください。
原因を調べ、少しでも早く症状が改善されるように努力致します。

呼吸器の病気について